マレーシア政府は2026年度の国家予算案(Budget 2026)にて、外国人(Non-Citizen)が住宅物件を購入する際の印紙税(Stamp Duty)を、現行の4%から8%へ引き上げると正式に発表しました。この改定は 2026年1月1日から施行予定 で、外国人購入者にとっては実質的な購入コストが2倍になる大きな変更です。
印紙税率の比較:引き上げ前後の差額
| 物件価格(万円) | 2025年(4%) | 2026年(8%) | 増加額(万円) |
|---|---|---|---|
|
RM 500,000 (1816 万円) |
RM 20,000 (72.6 万円) |
RM 40,000 (145 万円) |
+ RM 20,000 (+ 72.6 万円) |
|
RM 1,000,000 (3631 万円) |
RM 40,000 (145 万円) |
RM 80,000 (290 万円) |
+ RM 40,000 (+ 145 万円) |
|
RM 2,000,000 (7262 万円) |
RM 80,000 (290 万円) |
RM 160,000 (581 万円) |
+ RM 80,000 (+ 290 万円) |
なぜ印紙税が引き上げられるのか?
アンワル首相(Anwar Ibrahim)によると、今回の印紙税率の見直しには以下の3つの目的があります。
1. 国内購入者とのバランス調整
クアラルンプールやペナン、ジョホールなど一部エリアでは、外国人購入者の増加が価格上昇を招いており、ローカル市場の健全性を保つための対策です。
2. 税収増による住宅・公共開発の強化
増加した税収を「国民向けの住宅プロジェクト」や「インフラ整備」に充てる狙いがあります。
3. 短期的な投機抑制、長期保有の促進
外国人投資家に対し、より長期的な視点での不動産所有を促す政策としても位置付けられています。
外国人購入者への影響:「2025年は最後の低税ウィンドウ」
今回の引き上げにより、2025年が事実上“最後の低税年”となります。
2026年以降は、新築・中古を問わず、外国人の物件購入に一律8%の印紙税が適用されます。

投資家へのアドバイス
1. 購入を検討しているなら「今年中」が最も有利
クアラルンプール、ペナン、ランカウイなど人気エリアでの購入を考えている方は、2025年内に契約完了することで、印紙税の大幅増加を回避できます。
2. 開発業者の年末プロモーションをチェック
年末には「印紙税キャッシュバック」や「税金還元キャンペーン」なども見込まれます。
3. 専門家への相談をおすすめ
外国人購入には、最低購入価格(通常RM1,000,000以上)や権利移転手続きなども関係するため、経験豊富な不動産コンサルタントへの相談が安心です。
まとめ:2025年は「税制的に最も有利な年」
印紙税の引き上げは、短期的にはコスト上昇を意味しますが、長期的にはマレーシア不動産市場の安定と信頼性を高める動きといえます。